DHA、EPA サプリの起源<真相40>
DHA、EPA サプリの起源 [新・医食同源 おいしい栄養医学ブログ]
DHAおよびEPAの由来
DHAおよびEPA…日本ではω3不飽和脂肪酸として知られています。
その全ての始まりは’イヌイット健康調査1972’です。
アザラシしか食べないイヌイットがなぜ健康なのか?
イヌイット同様、肉食中心の欧米人には探求の的でした。
この謎を解くため企画・実行されたのがイヌイット健康調査1972’でした。
この有名な、今や’古典’と称されるこの調査…。
イヌイットが暮らす極限の地、グリーンランドはデンマーク領です。
そこでデンマーク人300名とイヌイット1,000名の血液検査を比較しました。
イヌイット健康調査1972
衝撃の新発見
イヌイットはグリーンランドに暮らす少数民族。
我々日本人の仲間:モンゴロイドです。
彼らの地は氷に閉ざされる酷寒の過酷な環境です。
1万~2万年前に人類史に遍く訪れた’農耕革命’も彼の地に及ばず…
野菜・穀類の栽培など夢のまた夢。
極限の民族で…主食はほぼアザラシのみです。
イヌイットの肉の摂取量はデンマーク人を遥かに凌ぎ世界一と判明。
また、脂肪を大量に摂取(飲用)していることも判りました。
つまり動物性脂肪・摂取量もデンマーク人を遥かに凌駕していたのです。
脂質の適正量は総摂取エネルギーの25%程度とされています。
対してイヌイットの脂質接収量は35~40%でした。
にも関わらず、イヌイットには:
≫心筋梗塞 ≫脳梗塞 ≫高脂血症
等々…デンマーク人に多い血栓性疾患が殆どない!
動物性脂肪(アザラシ)なのに健康に良い!? ゚Д゚;)
欧米の医療関係者は呆気に取られました(゜o゜)
ω3不飽和脂肪酸を有名にしたS社さんは、
DHAを掲げ…青魚から作らると宣伝して来ました。
でも…当のイヌイット、実は青魚を全く食べません。
デンマーク人が発見したω3不飽和脂肪酸の出所…。
実は青魚でなくアザラシだったのです。
photo taken by Ansgar Walk (c)Ansgar Walk
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イヌイットの秘密
アザラシの肉・脂肪に多いω3不飽和脂肪酸。
この脂に心臓や血管の疾患を防ぐ効果がある様だ…。
イヌイット調査以来、欧米ではEPA/DPAの研究が飛躍しました。
EPAの効果として、以下が臨床実験で続々立証されました:
★血液をサラサラにする
★中性脂肪を下げる
DPAの効果としては:
★EPAを超える血液サラサラ効果+血管修復機能がある
と判明。
DHAの場合、有名なモルモットへの投与実験があります。
その実験では脳の神経物質を活性化する結果が出ています。
が、純粋なDHAを人体に投与した医療結果は未だありません。
EPAがω3系不飽和脂肪酸の効果を代表する。
この認識が日本を除く世界の医科学・医療界のフツ―です。
ω3不飽和脂肪酸≒DHAとの認識が優勢なのは、日本だけなのです。
世界的な主流…EPA/DPA研究成果を日本で継承したのは;
★<医薬品>;持田製薬・製造/大正製薬・販売:’エパデール’
★<サプリ>;ニッスイ製造・販売:EPAドリンク’イマークS‘…になります。
筆者はDr’s Choice EPA635を1日3粒飲用しました。
12月6日から始め1月6日に血液検査をしたら…
健康診断の(’17年4月/TG値)153mg/dl はなんと78mg/dlでした。
この期間諸々の事情で運動も出来ず、歩く機会さえなかったのです。
なので、カロリー過剰で高脂血症になるのでは?と不安でした。
事実、体重は3~4kg増加したのです( ;∀;)
にも拘わらずここ十数年、基準値超えだったTG値が基準値圏内…
35~149mg/dlを果たしたのです!|д゚)
栄養医学から見た不飽和脂肪酸
ω3不飽和脂肪酸の前駆体(母体)であるαリノレン酸は:①EPA ②DPA ③DHA…この順番でオメガω3不飽和脂肪酸に代謝(変化)します。
なんだか ‘お呪い’ のよーです |д゚)
著者がこの ‘お呪い’ に拘るのは、
ω3系不飽和脂肪酸
c.f.
ω6系不飽和脂肪酸
の間にある
‘拮抗作用’が栄養医学的には核心のお話しだからです。
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脂肪酸は脂肪なので、エネルギー源であり細胞の原料です。
細胞膜を通過した脂肪酸…優先的にホルモンの原料となります |д゚)
必須脂肪酸ω3とω6は供に、細胞機能を調節する’局所ホルモン’になります。
出典: ホリスティック健康/栄養学入門 by 小池里予, 小池英
また新しい呪文の登場です。
脂肪酸が作るホルモンはエコノサイド(局所ホルモン)です。
代表はプロスタグランジですが、他に数種類あります。
全身を支配するホルモンは特定の内分泌腺で作られます。
対して、エコノサイドは細胞で作られます。
そして細胞レベルでの調節に特化します。
ので ‘局所ホルモン’と呼ばれるのです。
このプロスタグランジ(エコノサイド)…
原料=脂肪酸の違いによって 3グループに分けられます。
そしてグループ間には拮抗作用があります。
拮抗作用とは、相反する働きをして効果を打消しあう作用のコト。
注目は、ω3系EPAとω6系AA系プロスタグランジ間の拮抗作用です。
この拮抗作用はアクセルとブレーキです。
そして生理機能バランスを保っているのです。
<機能的拮抗>
★ω3EPA由来:ブレーキ役 ①炎症抑制 ②血栓減少 ③ガン抑制 ④子宮弛緩 ⑤血管拡張
★ω6AA由来:アクセル役 ①炎症促進 ②血栓増加 ③ガン促進 ④子宮収縮 ⑤血管閉塞
これに加えて量的な拮抗作用が伴います。
ω3EPA系ホルモンが出来た分、ω6AA系ホルモンが出来ない。
栄養医学的にはこの量的拮抗こそ重要なのです。
なぜなら摂食行動(食+サプリ)でコントロール可能になるからです。
ω3系:ω6系の理想比率は…1:1~1:3。
西欧化した社会では…1:36<米国>、1:10<日本>です。
つまり現代人は、ω6系:AA系プロスタグランジが超過剰。
従って細胞機能のバランスは崩壊。
アクセル踏みっぱ|д゚)…実に’危険’な状態なのです(+o+)
これらは、イヌイット調査が契機となった脂質研究:栄養医学の最新成果です。
この十年余りの間に解明された医科学的な’発見’なのです。
イヌイットが継承した食文化(アザラシの脂質摂取)は偉大です。
我々はイヌイットに学ぶべきですが…イヌイットになる必要はありません。
最新・栄養医学でイヌイットの偉大な知恵を、摂食行動として抽出しみると:
先ず、ω6系脂肪酸断ちをする。その後EPA/DPAを効果的に摂る。
となります!(^^)!この順番を食事+サプリで実現するのです。
栄養医学を使って、細胞にω3系を届ける術を実行するコトで…
イヌイットの偉大な知恵を、現代社会に再現できます。
ω3系とω6系脂肪酸は、食物が脂肪酸に代謝される。
脂肪酸がプロスタグランジ’局所ホルモン’に変わる…
代謝過程を代弁する典型なのです(・∀・)。
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